コロナによる感染症が流行してからというもの、マスクを付けることが当たり前になってきました。
そんなマスク生活の中で、ふと気づいたら、口呼吸が増えています。
激しい運動をした後などは、鼻と口で呼吸しますが、ヒトは本来、鼻で呼吸をしています。
呼吸をするとき、鼻には2つの大切な役割があります。
一つは、フィルターのような役割です。
鼻の奥の粘膜には、絨毛と呼ばれる細い毛がびっしりと生えていて、その絨毛が外から入ってきた空気の中にあるゴミや細菌、花粉、ウイルスなどを外に押し流してくれます。
二つ目は、エアコンのような働きです。
外から冷たい、乾いた空気が入ってきても、鼻の中で加湿、加温することで、身体の中に暖かい空気が取り込めるようにしています。
しかし、口呼吸になると、鼻のフィルター機能やエアコンのような機能を通さずに、気道に空気が直接入ってくるため、細菌やウイルスに感染するリスクが高くなります。
また、口呼吸で口が乾燥して唾液が少なくなると、唾液による抗菌作用がはたらかずに、口の中で細菌が繁殖して、歯周病や口臭悪化の原因となります。
他にも、口呼吸により、口がぽかんと開いた状態が習慣化してしまうと、口の周りの筋肉が緩んで弱くなってくるので、こどもでは、歯並びやかみ合わせに影響がでてくることもあります。
身体にとってあまり良くない口呼吸ですが、口呼吸を防ぐために、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。
①日中は意識して、口を閉じて鼻呼吸をする。
マスクをしているときなどは、息苦しくなって鼻と口の両方で呼吸することはありますが、マスクをはずしたときには、意識して鼻で呼吸するようにしましょう。
②「あいうべ体操」で口を閉じる筋肉を鍛える。
「あー」「いー」「うー」「べー」といいながら、口や舌を大きく動かすことで、口の周りの筋肉を動かします。声は出さなくても良いので、1日20回~30回をめやすに続けましょう。
他にも、寝ている間、口が開かないように口元にテープを貼る方法もあるようですが、これについては詳しくは、かかりつけの歯科医に相談することをおすすめします。
マスクで口元が見えずに、ふと気づくと口呼吸になってしまいがちですが、感染症から身を守るためにも、意識して鼻で呼吸をするようにしましょう!