今回は、更年期に起こりがちな不調の一つである、不眠症についてです。
もともと加齢によって睡眠は浅く短くなってきますが、閉経前後はのぼせや発汗などで熟睡感が得られずに、「なかなか眠れない」「起きた時にすっきりしない」などの訴えが増えてきます。
眠れないと、いろいろなストレスや疲労もなかなか回復せず、身体も気持ちもつらくなってくるので、率先して改善していきたいですね。
不眠のタイプや症状はいくつかに分けられるので、どのタイプに当てはまるかで改善方法も見つけやすくなります。
また、いくつかのタイプが重複していることもあるので、当てはまる項目だけにとらわれず、改善方法についても視野を広くしてみてみましょう。
〇入眠障害
・特徴:布団に入ってもなかなか寝付けない。
眠るまでに30分~1時間以上かかり、それを苦痛に感じる。
不眠症の訴えで、もっとも多いタイプ。
・対策:不安やプレッシャーを抱え込みやすく、「眠れなかったらどうしよう。」と考えすぎて心身が緊張して硬
くなり、よけいに眠れなくなることも。
湯船にゆっくりと浸かる、寝る前にストレッチをする、好きな音楽を聴く、好きな香りを枕元に置くな
ど、緊張をほぐしてリラックスすることを心がけましょう。
そして、布団に入ったら考え事をせず、ゆっくり呼吸をして楽な姿勢で過ごしましょう。
〇中途覚醒
・特徴:夜中に何度も目が覚め、いったん目が覚めると、その後なかなか寝付けない状態。
眠りが浅いと目覚めやすい。高齢になるほど多いタイプ。
・対策:夜中に目が覚めと、そのたびに時間をチェックしがちですが、目が覚めたことを意識しずぎると、中途覚
醒をさらに悪化する恐れもあります。
夜中に目が覚めても時計を気にせず、心身が落ち着くようにホットミルクやお白湯を飲んだり、音楽をか
けてもOKです。
更年期だから仕方がない、と受け入れることも大切です。
〇熟睡障害
・特徴:睡眠時間は十分なのに、ぐっすりと眠れた感じがない。
目覚めが悪く、昼間に眠たくなる。
・対策:人がよく眠るのは、「疲れたから眠くなる」「夜になったから眠くなる」からです。
疲れて眠くなるには、日中に身体を動かす、寝る数時間前までに軽い運動をするなどしてみましょう。
夜になると眠くなるには、午前中にしっかり日光を浴びたり、寝る数時間前には、スマホやパソコン、テ
レビを見ないようにして、室内の照明を暗くしましょう。
〇早朝覚醒
・特徴:自分が目覚めたい時間よりも2時間以上前に目覚める状態。
二度寝したくても眠れないのが特徴。
・対策:不規則な生活が原因になることも多いので、食事でしっかり栄養を摂る、適度な運動を心がけましょう。
また、早朝覚醒の場合は、午前中に日光を浴びると体内時計が早めにリセットされてしまう恐れがあるた
め、日中に日光を浴びるようにすると、体内時計がうまくリセットされる可能性があります。
いずれの場合も、眠れないことに過度に敏感になりすぎると、そのこと自体がストレスとなり、なかなか改善しない恐れがあります。
できるだけ考え込みすぎず、「更年期だから仕方がない」と受け入れてしまうと同時に、生活が不規則にならないよう、食事や運動など、できるだけ規則的な生活を心がけていきましょう!
