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更年期のこと 知ってますか?その③

前回は、女性ホルモンのはたらきについてお伝えしました。
今回は、どのようにして不調が起こってしまうのかについて、お伝えします。

私たちの女性ホルモンは、その①でもお伝えしたように、脳からの指令によって分泌されます。
脳は、「ホルモンを出して」という指令を出すとともに、その量をチェックして、過不足がないように微妙に調整しています。

若いときには、脳からの指令と、その指令を受ける卵巣の反応は良好で、「ホルモンを出して」という指令に対して、「たくさん出しました」とすぐに反応しています。
しかし、閉経前後の時期になると、卵巣の老化に伴い、その機能が弱くなってきます。でも、脳はその変化に気づかずに、今までとおりに「ホルモンを出して」と指令を出すのですが、卵巣はその指令に答えきれずに脳が求める量のホルモンが分泌できなくなります。
そうなると脳は、卵巣がさぼっていると勘違いして、さらに指令を出し続けます。

でも、精一杯頑張っている卵巣は、さらなる要求に応えきれないため、指令を出している脳はパニック状態に陥り、脳の本来の機能が果たせなくなるので、身体のあちこちに不調が出てくることになります。

その②でお伝えしたように、エストロゲンの働きは、全身に及ぶので、女性ホルモンが不足することによって起こる影響も、全身に及ぶことになります。
のぼせ、冷え、肩こり、目の不調、やる気が出ない、疲れやすさ、動悸、めまい、頭痛、手指のこわばり、胃腸の不調、痩せる、太る等々。

では、症状の強さや表れ方に個人差があるのはなぜでしょうか?

閉経前後に不調が起こる要因としては
1 ホルモンの減少
2 気質・体質
3 置かれた環境
の3つが考えられています。

1のホルモンの減少は、卵巣が老化することにより、女性ホルモンの分泌が減少してしまうこと。
2の気質・体質は、生まれもった体質やストレス耐性、ホルモンに対する感受性などのこと。
3の置かれた環境は、親の介護や夫、子どもとの関係、職場やご近所などの人間関係などのこと。

これら3つの要因が複雑に絡み合い、症状が出やすくなってしまいます。

特に、3の環境については、その時の生活環境、特に親の介護によるストレスや睡眠不足、職場の人間関係や家族の関係悪化などが引き金となり、急に症状が出てくることも少なくありません。
逆に、職場の異動や家族関係の変化などによって、急に症状が良くなった、というのも良くある話です。
更年期を過ぎてから、あのことが不調の引き金になったんだ、と気づくこともあります。

このように、この時期に表れてくる不調は、自分の困っている部分や弱っている部分が全面に出てくる時期です。
更年期による不調は、自分の弱い部分を知らせてくれるバロメーターとして、上手に向き合っていくのがコツかもしれませんね。
では、次回からは、その不調に向き合っていく方法についてお伝えしていきます。